胸に痛みを感じる…
これは心臓の病気なの?
胸の痛みを感じる時には、心臓や大きな血管に原因がある可能性があり、とても危険です。
しかし、心臓の辺りに針で刺されたようなちくちくした痛みや違和感を感じる場合、その痛みは心臓の病気だけでなく、肋骨や胸の筋肉、皮膚に痛みが出ていることも少なくありません。
また、胃や食道に炎症があったり、ストレスを感じている時にも胸の痛みを感じることがあります。
胸の痛み以外にこんな症状が
あれば危険かも!
胸の痛みの他にも以下のような症状があれば、すぐに医療機関で検査や処置を受ける必要があります。
- 呼吸が苦しい
- 冷や汗をかく
- 吐き気がする、嘔吐する
- めまいがする
- 意識がなくなる
- 声をかけても反応が乏しい
胸の痛みの原因と
考えられる疾患
肺や胸膜の病気
突然息が苦しくなり胸の痛みが現れた場合は、肺に穴が開く気胸の可能性があります。また、胸膜に細菌感染が起きて炎症を生じる胸膜炎や膿胸になると、発熱や胸痛が生じます。
心臓や血管の病気
心臓の血管が細くなったり詰まる狭心症や心筋梗塞では、突然締め付けられるような胸痛や圧迫感を感じます。また胸や背中に突然の激しい痛みを伴う場合は、大動脈が裂ける大動脈解離の可能性もあります。大動脈解離では、胸痛だけでなく意識障害が現れることもあります。
心臓や血管の病気で起こる胸痛は、生死に関わるため早急に治療を受ける必要があります。
神経・筋肉・骨の病気
鋭い痛みが局所的に現れる場合は肋骨神経痛の可能性があり、帯状疱疹が原因であることもあります。また、肺がんで胸膜までがんが進行すると、持続的な胸痛が現れることがあります。
激しい運動や怪我などで肋骨に強い衝撃が加わると肋骨骨折を起こすことがあり、体を動かしたり咳をすると痛みが増強します。
消化器系の病気
逆流性食道炎では、食道に胃酸が逆流してしまうため食道が炎症を起こし、胸痛や胸焼けを起こすことがあります。
精神的なものからくる病気
精神的なストレスや不安など過度な負荷がかかると、胸痛や動悸、過呼吸などが現れることがあります。この場合、心臓や肺などの検査をしても異常が認められません。
右胸と左胸、どっちが痛むかで原因は分かる?
心筋梗塞、大動脈解離、狭心症などの心疾患では、胸部の左から前方にかけて痛みを感じることが一般的です。
しかし、胸部の左側に痛みが生じるのは心臓の病気だけではありません。また、心臓の病気による痛みが胸部の右側に生じることもあります。
単に痛みの位置だけで心の疾患の有無を判断するのは、実際には難しいと言えるでしょう。
胸が痛い時の検査
胸が痛む時には、原因となる疾患を突き止めるための検査が必要です。まずは問診で、その痛みがどんな時にいつからどの場所で起きているのかなどを詳しく伺います。心電図検査やレントゲン、超音波検査、血液検査などを行います。さらに詳しく調べるために、必要に応じてCT検査などを追加して診断を行っていきます。
胸の痛みの治療
胸痛の原因に応じた治療を行っていきます。狭心症や心筋梗塞、大動脈解離などの心臓・血管疾患の場合は、カテーテル治療や手術を行う必要があります。また肺の疾患でも、必要に応じて処置や手術を要することがあります。
精神的な胸痛の場合は、カウンセリングをしながら、必要に応じて内服薬を処方します。