TOPへ

HbA1cが高い

HbA1cとは

HbA1cとはHbA1cとは、「ヘモグロビン・エーワンシー」と言い、赤血球の中にある色素であるヘモグロビンのうち、どのくらいの割合のものが糖と結合しているかを示す値です。

つまりこの割合が高いほど血液中の糖分の割合が高いということになり、血糖値の高い人ほどこの値が高く、血糖値の低い人は逆に低くなります。この値は過去1~2ヶ月の血糖値の平均値を反映するため、血糖値の検査をする場合に測定されるものです。

HbA1cが高くなる原因

HbA1cが高くなる原因HbA1cが高くなる原因は、その数値の元となる血糖値が継続的に上がるためです。
血糖値が上がる原因としては、インスリンという血糖値を下げる役割を果たすホルモンが有効に機能していなかったり、不足していることが考えられます。この要因となるものとして、以下のものが考えられます。

  • 食べ物
  • ストレス
  • 遺伝
  • 肥満
  • 妊娠 など

糖尿病とHbA1cの関係

HbA1cが高いというのは、血糖値が高い状態が継続していることを示しています。その場合は糖尿病が疑われます。実際の数値としては、HbA1cが6.5%以上になると糖尿病を疑います。またこれが8.4%を超えると糖尿病による各種の合併症を発症する危険性が高まります。

糖尿病とは

糖尿病とは、血液中の糖分が高い状態が続く病気です。原因としては生活習慣によるものと自己免疫疾患などを原因とするものとがあり、体質(遺伝)も関係します。
人体が食事をして糖質を取り入れるとブドウ糖に分解され、血液によって全身に運ばれます。血液中の糖分はインスリンの作用によって筋肉や臓器にエネルギーとして取り込まれ、その結果、血中の糖分は一定の程度に維持されます。しかしこのインスリンの作用が何らかの原因で阻害されると、血液中の糖分が吸収されずに血糖の高い状態が続きます。これが一定の程度を超えると糖尿病と診断されます。

HbA1cが高いとどうなる?
合併症の危険性も…

HbA1cが高いとどうなる?合併症の危険性も…HbA1cが高い状態が続くと、高血糖により血管がダメージを受け、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害といった細小血管障害や、動脈硬化による脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、閉鎖性動脈硬化症といった大血管障害という合併症を発症します。その他にも様々な障害が起こりますので、糖尿病を放置しておくことはとても危険です。

数値から見るHbA1c

HbA1cの正常値と異常値

HbA1cの正常値は、日本糖尿病学会の定める「糖尿病治療ガイドライン」では、4.6~6.2%の間とされており、これを超えると異常値となります。
ただし数値が正常範囲であっても、年齢や生活習慣の内容によっては5.6%以上の場合を「耐糖能障害」といって要注意とされる場合があります。

数値別のリスクや症状

糖尿病には軽度のものから重度のものまであり、程度の違いによって症状も異なってきます。
HbA1cの数値別にその症状の違いを見てみましょう。

HbA1cの数値が6.5%以上の場合

正常値を少々上回った状態で、糖尿病と診断される可能性が高い状態です。基本的に症状はなく、治療方法としては生活習慣の改善をはかり、数値を7.0%以下に保つようにします。

HbA1cの数値が8.0%以上の場合

症状はまだ出ることはありませんが、この状態が継続すると、糖尿病による心臓・脳・腎臓・神経などに合併症が起こる可能性が高まります。
生活習慣の改善だけではなかなか症状をコントロールすることが難しく、投薬を中心とした治療を行います。

HbA1cの数値が9.0%以上の場合

糖尿病による倦怠感や疲労感を感じやすくなり、感染症になると重症化しやすい状態になります。
投薬を中心とした治療を行って数値の改善をはかります。

HbA1cの数値が10.0%以上の場合

血糖値が非常に高く、即座に治療が必要な状態です。
治療方法としては、投薬治療による場合もありますが、場合によってはインスリン注射や入院による治療が必要になります。

HbA1cの数値が12.0%以上の場合

血糖値が非常に高く、喉が異常に渇くことや、多尿、体重減少などの症状が現れます。
この数値が継続すると、「ケトアシドーシス」と呼ばれる危険な状態に陥ることもあり、インスリン注射や入院による治療が必要になることもあります。

HbA1cが高いと言われたら
放置せずに治療を

HbA1cが高いと言われたら、糖尿病の危険性があります。
糖尿病は初期の状態では特に症状はありませんが、放置しておくと数値が上昇して合併症を伴うようになりますので、放置することなく早期に治療を行うことが必要です。
初期のうちに適切な治療を行うためには、専門家の意見を聞くことが重要です。そのような場合には是非当院までご相談ください。