腎臓内科のご案内
腎臓内科は、腎臓に関わる病気を内科的に診断・治療する診療科で、血尿やたんぱく尿が続く方や、腎機能が低下した方などを対象に診療いたします。
当院では、健診などで尿の異常を指摘された(尿潜血、尿たんぱくなど)方をはじめ、慢性腎臓病(CKD)、腎不全、糖尿病性腎症、高血圧性腎硬化症、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎などの診療を行います。
腎臓とは
腎臓は、腰の上あたりの背中側に位置しているソラマメ状の臓器です。左右に1つずつあり、握りこぶしくらいの大きさです。体に溜まった塩分や不要なものを尿として排出する役割のほか、血圧のコントロールや血液造成、水分量の調節など、たくさんの重要な役目を担っている臓器です。
このような症状でお悩みの方はご相談ください
- 健康診断で腎機能の低下を指摘された
- 尿潜血や尿たんぱくを指摘された
- 顔や手足がむくむ
- 尿量が増えた、または減った
- 目が見えにくくなった
- 高血圧や糖尿病の既往がある
- 急に体重が増加した
- 立ちくらみや息切れなどの貧血症状がある
腎臓病は初期段階ではほとんど自覚症状がありません
腎臓病の初期症状はほぼありません。
症状としてよく知られているむくみやだるさを感じるのは、個人差はありますがかなり病気が進行している状態になってからです。
自覚症状は、ステージ4と呼ばれる状態になってから起きることが多いです。
人工透析を避けるには
早期発見・早期治療が重要です
腎臓病は明らかな自覚症状がないまま進行してしまうことが多く、一度腎臓が悪くなってしまうと機能は回復せず、透析療法を行う必要が出てくるのが現状です。
しかし、早期発見・早期治療により腎機能の低下を防いだり、遅らせたりすることが可能です。腎臓のことで心配なことや悩み事がある場合は、お気軽に桑名市の陽だまりの丘なかむら内科へご相談ください。
腎臓内科で診療する主な疾患
尿潜血
尿中に見られる赤血球の混入は、腎臓、尿管、膀胱、さらには尿道に生じる異常を示すことが多いです。一時的な体調不良によるものも考えられますが、見つけた場合は迅速に医師の意見を求め、その原因を確認することが推奨されます。
たんぱく尿
たんぱく尿が発生する主な要因は、急性や慢性の腎炎など腎臓特有の疾患と、糖尿病や膠原病、高血圧などの全身疾患が挙げられます。治療方法は原因により変わるため、きちんとした診断が求められます。
慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)は、長期にわたり腎の機能が低下している状態の総称です。20歳以上の成人の約8人に1人にCKDがあり、新たな健康上の課題となっています。高血圧や糖尿病などの生活習慣病やメタボリックシンドロームとの関連が指摘されており、多くの方がそのリスクを抱えています。腎臓は健康を維持する上での中心的な役割を果たしており、CKDは心臓病や脳卒中といった心血管疾患の重大な危険因子になっています。
腎不全
腎不全は、腎の機能が不十分となった状態を示します。急性と慢性の2つの病態が存在します。急性腎不全では、何らかの理由で腎の機能が急激に悪化します。治療方針は、原因対策と回復期の管理の2つのアプローチが考えられます。慢性腎不全は長期わたり徐々に腎障害が進行するもので、末期に至ると透析治療や腎移植が必要となります。
糖尿病性腎症
糖尿病性腎症は糖尿病が引き起こす合併症の1つで、尿をつくる役割をしている腎臓の糸球体部分が障害を受け、徐々に尿の生成が困難になります。糖尿病性腎症は、日本人が透析治療を必要とする原因のトップに挙げられます。
高血圧性腎硬化症
高血圧性腎硬化症は、高血圧が原因で生じる腎障害です。長い期間の高血圧が腎臓の血管を硬化させ、腎を流れる血液の量が減少することで腎臓の機能が低下します。日本人の透析治療の導入原因として、この疾患は第3位を占めています。治療のポイントは血圧のコントロールで、生活習慣の改善や降圧薬の使用が推奨されるとともに、定期的な腎機能の評価が重要となります。
糸球体腎炎
糸球体腎炎は腎臓の糸球体の炎症が原因で腎機能が障害され、たんぱく尿や血尿が見られます。急性と慢性の2つの病態があります。
急性糸球体腎炎
感染症(特にA群β溶連菌)に続いて、数週間で血尿、たんぱく尿、むくみ、高血圧などの症状が現れます。主に小児や若者に多いですが、大人にも発症することがあります。病原体への感染が免疫反応を介して糸球体に炎症を起こすことが原因です。治療としては、安静や食事制限のほか、抗生物質や降圧薬、利尿薬の使用を検討します。
慢性糸球体腎炎
1年以上のたんぱく尿や血尿が特徴です。原因ははっきりとは分かっていませんが、免疫系の異常によると考えられます。高血圧、むくみ、頭痛などの症状があらわれます。治療としては、降圧薬や食事療法が中心となり、状況に応じて副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬の使用を検討します。
ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群は腎臓病の一種で、大量のたんぱく尿が出ることが特徴です。尿の泡立ちがみられることがあり、タンパク尿の増加に伴い、血液中のたんぱくが減少することもあります。結果として、むくみ、体重増加、だるさなどの症状が現れます。特に子供に多く発症しますが、大人でも発症することがあります。
診断の際には、腎生検を含めた詳しい検査が実施されることが多いです。大量のたんぱく尿が長く続くと腎機能の悪化が進むため、尿たんぱくの量を減少させる治療が必要です。
多発性嚢胞腎
多発性嚢胞腎は、腎臓に多くの嚢胞が形成され、その結果として腎機能が徐々に低下する遺伝性の疾患です。日本における患者数は約30,000人と推定されています。多くの場合、成人期に症状が現れますが、小児期から高血圧などを併発することもあります。この病気は遺伝子の異常が原因となっており、親からの遺伝により発病します。初期段階では無症状であることが多いですが、嚢胞の数が増えるにつれて腎臓の大きさが増し、お腹が張るようになります。それに伴い、食欲低下、疲れやすさ、だるさ、息切れなどの症状が出現することもあります。さらに、肝臓にも嚢胞が形成されてお腹が張ることがあり、高血圧や脳動脈瘤の頻度も高くなります。60歳ごろには、患者様の約半数が腎不全になります。治療方法としては、尿を濃縮するホルモンであるバソプレシンのV2受容体拮抗薬を使用して、嚢胞の拡大や腎機能の低下を防ぐ試みが行われます。しかしながら、この薬の効果が確認されているのは、多発性嚢胞腎の一部の患者様に限られています。