- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状をセルフチェック
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)になる原因
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置するとどうなる?
- いびきをかく人は睡眠時無呼吸症候群なの?
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の簡易PSG(ポリソムノグラフィー)検査
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、眠っている間に呼吸が止まった状態が何度も繰り返される病気です。医学的には、無呼吸が7時間の睡眠中(一晩)に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断します。
自分ではなかなか気づけないため、検査や治療を受けられていない患者様が多くいると考えられています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状をセルフチェック
睡眠時
- いびきをかいている
- いびきが止まった時に無呼吸になり、いびきと一緒に呼吸を再開する
- 夜中に何度も目が覚める
- 息苦しさを感じる
- 寝汗をかく
- 歯ぎしりや食いしばりがある
起床時
- しっかり寝たはずなのに熟睡できていないと感じる
- 寝起きが悪い
- 口や喉が渇いている
- 頭が痛い
- 体が重い
日中
- 我慢できない眠気に襲われる
- 集中力の低下
- だるさを感じる
- 休養しても疲れがとれない
睡眠時無呼吸症候群(SAS)になる原因
多くの場合、気道が完全もしくは部分的に閉鎖して空気の通り道が狭くなったり、塞がれたりすることによって起こります。
そのため、首が太くて短い人、肥満体型の人、顎が小さい人などに多く見られます。
元々気道が狭くなっているところに、睡眠中は咽頭や舌の筋肉が緩んでしまうことで気道はさらに狭くなり、息を吸った時に肺の陰圧で気道が閉じてしまい、無呼吸状態が生じます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置するとどうなる?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治療せずにいると、居眠り運転や注意散漫による交通事故を招く確率が大きく上がります。また高血圧や糖尿病などの生活習慣病を発症しやすくなり、さらに脳卒中や心臓発作、不整脈のリスクが高くなります。仕事や家事など、私生活にも悪影響が出やすくなりますので、そのままにしておくのは良くありません。
一緒に寝ている家族やパートナーなどから、寝ている間の大きないびきや一時的な呼吸の停止を指摘されたことはないでしょうか?もし指摘されたことがあれば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われますので専門の医師にご相談ください。
いびきをかく人は睡眠時無呼吸症候群(SAS)なの?
いびきは、気道が狭くなった状態で必要な換気ができない時に起こります。いびきをかくからといって必ず睡眠時無呼吸症候群(SAS)であるとは限りませんが、セルフチェックで当てはまる項目が多かった方は要注意です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の
簡易PSG(ポリソムノグラフィー)検査
今までご紹介した症状に当てはまる方には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の簡易PSG検査をお勧めしています。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断および症状の程度を調べるための専用機器を貸し出し、ご自宅で検査して当院にてデータを解析いたします。
口と鼻に呼吸センサー、指には血中酸素濃度を調べるセンサーをそれぞれ取り付けて一晩睡眠をとっていただきます。1時間あたりに10秒以上の無呼吸・低呼吸が何回生じるか、また同時に血中酸素濃度の低下が起こっているかどうかを調べます。
簡易PSG(ポリソムノグラフィー)検査の費用
検査料金は3割負担で2700円、最短で翌日に検査結果が出ます。
精密PSG検査
簡易PSG検査の結果、より詳しい評価が必要と判断された場合は、精密PSG検査を実施することがあります。精密PSG検査では、簡易PSG検査のセンサーに加えて複数のセンサーを装着し、脳波や胸腹部の換気運動なども測定します。料金は3割負担の方で約12,000円です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法
治療方法は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が起こっている原因や、患者様お一人おひとりの状態を考慮して決定します。
CPAP療法
CPAP療法(Continuous Positive Airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸療法)とは、鼻にマスクを装着して圧をかけた空気を送り入れ、気道に一定の力をかけて閉塞を解除し、無呼吸を防ぐという方法です。中等症から重症の患者様に非常に効果的で、ほとんどの場合は治療開始当日から効果を実感されます。現在、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の最も重要な治療法として、欧米や日本で広く普及している治療方法です。
現在CPAP療法を受けられており、転院を考えている方へ
遠方に通院しており時間がかかっているなどで転院を考えていらっしゃる患者様は、CPAP管理を当院に変更して転院が可能です。
当院でCPAP通院をご希望の方は、一度ご相談ください。転院の方法や当院のCPAP治療についてご説明いたします。
CPAP療法の費用
費用 |
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1ヶ月あたりのCPAP治療の費用 |
4,000円~5,000円程度(3割負担) |
(高血圧症や脂質異常症、糖尿病等で当院に通院中の場合) 1ヶ月あたりのCPAP治療による追加費用 |
3,500円前後(3割負担) |
マウスピース
寝ている間の顎の位置を微妙に変えるだけで改善が期待できるような軽症の患者様が適応となります。気道を広く確保するため、下顎が上顎よりも前に出るように固定して行います。専用のマウスピースを用いて治療を行いますので、作製を希望される場合には専門の歯科をご紹介いたします。
外科手術
アデノイドや扁桃腺肥大など気道を塞いでしまう部位を外科的に手術して、正常な状態に戻すことがあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は自力で治せる?
生活習慣の改善
肥満の方は、減量のために腹八分目までの食事や適度な運動を心がけましょう。
お酒は筋肉を弛緩させる働きがあるので、寝酒はやめるようにしましょう。
また、睡眠薬を服用されている方は、筋弛緩作用を持つものがありますので、服用の前に一度主治医にご相談ください。